キプチョゲが世界新記録を出したマラソン練習メニューがすごい!

ケニア出身のマラソンランナーである、エリウド・キプチョゲ選手が、非公式ながら前人未到のタイムラップをたたき出しました。

オーストリア・ウィーンで行われた大会で、フルマラソンを1時間59分40秒という世界新記録をレコード

 

キプチョゲは、リオオリンピックのマラソンでも金メダルを取った、マラソン界世界最速の男といわれています。

今回この驚くべき速さの秘密であるマラソンの練習メニューを調べてみました。

 

キプチョゲの世界新記録とは?

 

 

2019年10月12日、オーストリアのウィーンにて『INEOS』がフルマラソンの2時間切れを目指すイベントを企画。

2018年にベルリンマラソンで2時間01分39秒という、公認世界新記録の保持者、世界最速のキプチョゲがこの企画に挑戦しました。

 

そして企画の目標通り、フルマラソン2時間を切る、1時間59分40秒という素晴らしいタイムをたたき出しました。

 

タイムを保ちながらレースを進めていったのがわかります。

 

タイム スプリット
5km 14:10 14:10
10km 28:20 14:10
15km 42:34 14:14
20km 56:47 14:13
25km 1:10:59 14:12
30km 1:25:11 14:12
35km 1:39:23 14:12
40km 1:53:36 14:13
ゴール 1:59:40 6:04

 

このタイムがどのくらいすごいのか・・・

 

1kmを約2分50秒で走る計算になります。

さらに・・・ 500m → 1分25秒

100m → 17秒

50m  → 8、5秒

時速に換算すると 約21km/時 で、普通の自転車で早漕ぎするくらいの速さです。 この速さを42km以上も続けることになります。

 

 

この企画は道路が真っすぐであったり、世界から選りすぐりのペースメーカーが前後について風よけとなったりと記録を出すための好条件を作り出しているため、国際陸連が非公認のレースでした。

 

そのため今回のこの記録は世界認定の記録とはいきませんが、キプチョゲ選手が公認レースで2時間切れのタイムに一番近い選手の一人であることは、間違いありません。

 

この前人未到のラップタイムを出すために、キプチョゲが厳しいトレーニングを積み、考えられた練習メニューをこなしてきました。

 

 

キプチョゲの練習メニュー

 

 

キプチョゲはこのマラソンの練習メニューを5年間続けています。そのトレーニングの成果が出ているわけですね。

 

キプチョゲは公開している練習メニューの一部がこちら。(同じ曜日でも距離やコースのコンディションを変えて練習しています。)

 

月曜日

AM  イージーツーモデレートラン  16~21km (約70分程度)主に道路  中程度

PM  モデレートラン   8~12km (約10分程度) 軽度

 

火曜日

AM  トラックセッション 3,1km(約15分)のウォーミングアップ

ジョグラップ 1200mを3分25秒、 5×1kmを2分55秒、3×300mを40~42秒、2×200mを27秒、

クールダウン 3km(約15分)

PM  休憩

 

水曜日

AM  18km(約71分)中程度

PM  11km(約44分)軽度

 

木曜日

AM  30,8kmのテンポラン(1時間42分) 日によって悪コンディション度が違う(泥だらけ、起伏が激しいなど)

PM  10km (約40分) 軽度

 

金曜日

AM  16km (約70分) 中程度

PM  10km (約40分) 軽度

 

土曜日

AM  2kmのクロスカントリーコースでウォーミングアップ (約10分程度)

30×(1分間オン、1分間オフ)

平均速度2分25秒/kmの簡単なジョギング。

クールダウン2,8km(約15分)

 

 

日曜日

AM  20km(約77分)中程度

 

 

キプチョゲが信頼を置くパトリックコーチによると・・・

 

  • 約4か月前からレースの準備を行う。
  • 約3か月前からは、最低6回のロングラン(40~42km)、

インターバル走(トラックを使ったスピード練習)を週2回

ファルトレク(起伏の激しいコース)の走りを取り入れる練習

これらの練習を連続して行わず、間の日は軽めの練習でリカバリーを行う。

  • 1週間前からは、1200m×13本 (1kmを3分20秒で走る)

 

これを見ると、すごく走りこみすぎている感じはありません。

 

キプチョゲの思いは、こうです。

『シンプルな練習をシンプルに継続すること。マラソンが好き!という情熱が継続の力である。』

 

強度の高い練習の後は、しっかりとリカバリーの時間をつくる。そうやって身体を整えることが大切だといいます。

バランスの良い食事、そして9時間以上たっぷりと睡眠をとり、規則正しい生活をすることを基本としています。

 

 

キプチョゲの練習メニューを駒澤大学が導入

 

 

2018年11月11日に駒澤大学のグラウンドで【ナイキエリートランニングキャンプ】が開催され、学生や実業団のランナーたちとキプチョゲが交流を行いました。

素晴らしい走りのキプチョゲの練習メニューについて注目されていましたが、キプチョゲは惜しげもなくメニューを公開し、自分の練習メニューは、自国でなくても日本であってもすることができると名言しています。

 

また駒澤大学はこのキプチョゲのメニューは、駒澤大学で行われているマラソンの練習メニューと類似する点が多いと言っています。

その中でもいいものは取り入れていく姿勢は変わらないということです。

 

このような素晴らしい選手と実際に交流できることが、学生や実業団のランナーに良い刺激となるパワーを与えたに違いありません。

 

 

今後の期待は

 

 

公式レースで今や2時間を切るマラソンタイムを出す一番近い位置にいるのがキプチョゲと言われています。

 

来年に迫った東京オリンピック出場での金メダルももちろん視野にいれており、

史上3人目となる男子マラソンの2連覇の偉業を狙ったレースは注目必須です。

 

天気が悪くても良くても、暑くても 選手は同じ条件のもとでゴールを目指す。いつも通りの練習をしてレースにのぞむだけ。

 

とにかく自然体の王者キプチョゲの人柄が表れています。

 

 

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